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第一の課題は、主にブドウの木を保護する薬剤に関するものです。
ブドウの木を保護する薬剤を使用するのは、それが天然由来のものであっても化学的なものであっても、技術的・経済的観点から必要なことです。シャンパーニュ地方のブドウ栽培地は、北に位置し、世界中の有名なワイン生産地と同様、病気や害虫が広がりやすい気候条件のせいで、特にその被害を受けやすいのです。
業界では、20年以上前から植物の病害虫予防剤に関する研究開発に多額の投資を行ってきました。
今日、こうした薬剤は、持続可能なブドウ栽培または有機ブドウ栽培の一環として、責任ある使用、分別を持った使用がされています。どのようなシステムが適用されていても、以下の大きな方針に変わりはありません。
具体的には、業界では、生産者が現場で正しい判断を下すための支援ツールを作成しました。
水質汚染や大気汚染のリスクが大きいと判断した場合には、予防策として、国内や欧州内で使用が許可されている薬剤であっても、一部の薬剤の使用を中止するよう、業界がブドウ栽培農家に勧告することもあります。
そのため、ブドウ栽培アドバイザー30名が活動をしています。毎週ブドウ栽培家訪問がコーディネートされ、市での会合に参加し、作業デモンストレーションを行い、パイロット区画を設置。電話でのアドバイスや感化教育を行い、カウンセリングをするなど、ブドウ栽培農家の支援を行っています。
こうした大規模な施策が実を結び、顕著な実績を上げています。 殺菌殺虫剤の使用は50%削減され、安全な使用法が確立されました。この点については、環境グルネルに先駆けて対策を取りました。中でも、特に最も危険性の高い薬剤と、環境への影響が最も大きい薬剤の使用が著しく削減されました。現在、シャンパーニュ地方で使用されている薬剤の50%はビオロジック農法で使用が許可されているものです。害虫の交配を抑えて繁殖を防ぐという技術をヨーロッパでいち早く導入し、従来の害虫駆除剤をかなり排除することができました。(2013年には13,200ヘクタールでこの方法を使用。これはAOC地域の40%に相当します)
ビオロジック農法によるブドウ栽培も広がりを見せており、この10年で5倍となりました。ただし、栽培面積はまだ全体のわずか1%にとどまっています。
業界としての今後の目標は、これまでの取り組みをさらに拡大し、環境グルネルで設定されたフランスとしての目標である、殺菌殺虫剤の使用を2018年までにさらに50%削減することです。