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テロワールと原産地統制名称
シャンパーニュのテロワールの3つ目の特性はその地形です。適度な勾配と起伏に富んだ地形はブドウの木に十分な日照を与え、過度な水分を排出します。
木立を頂く丘一面にブドウの木が植えられ、そのただなかに村がひっそりたたずむ、シャンパーニュ地方の村の典型的なイメージ。これこそが、「ヴィニョーブル・ド・コトー(丘陵に広がるブドウ畑)」です。
平均斜度は12%ですが、場所により59%に至る地区もあります。
適度な勾配のおかげで日照が均等に行きわたり、平地よりも放射照度が高いので、こうした地形はブドウ栽培に適しています。そのうえ、丘陵は南、南東、東向き斜面なので、太陽のエネルギーを十分に受けられるのです。17世紀、シャンパーニュは「丘陵のワイン」と呼ばれていました。
丘陵地帯は、パリ盆地の中央部が堆積物の重みで地盤沈下を起こし、その北側が隆起をした際にできたものです。
その後隆起の一部は浸食作用でなだらかになりました。特に氷河期には凍結と融雪を繰り返す中で石灰石が崩れ、急な勾配はなだらかな斜面に姿を変えました。
パリ盆地の隆起でできたのは次の丘陵です。
なお、マルヌ川、セーヌ川とその支流は、イル・ド・フランス地方の丘陵地帯を削り、次の地域をはじめとするブドウ植樹に適した地形を作り出しました。