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テロワールと原産地統制名称
テロワールを構成する主な3要素、気候、地下層、地形の組み合わせも、独自のものが数多く生まれました。シャンパーニュ地方では、区画数と同じくらい組み合わせがあると言われます。
テロワールの特徴を定めるのは偉大なる自然の法則ですが、シャンパーニュでは自然自体が変化に富み、テロワールに数え切れないほどの多様性をもたらします。
ブドウ栽培者と醸造家は常にそれを考慮に入れてきました。それがブドウやワインの特性に与える影響を知っているからです。「ゾナージュ(ゾーン分け)」と呼ばれるプログラムでは、それをリストアップし、具体的なデータを得ることを目的としています
多様性を語るとき、クリュ(村)を単位としがちですが、ブドウ栽培者はパーセル(区画)を単位とすることが多いです。パーセルは昔から個別に管理され、名前が付けられてきました。
名前には歴史が込められています。「遅い夕食、腕で作り上げた丘陵、黄金の一滴、暖かな休憩小屋、山の厳寒・・・」
ブドウ栽培者たちは、パーセルごとにその個性が活かせるよう作業を行います。ワインの作り手は、こうしてできたブドウから個性の強いワインを作り出すこともできれば、アサンブラージュをしてバランスの取れたワインやコントラストの強いワインを作り出すこともできます。
テロワールの経験的な知識には、徐々に科学的データが加えられるようになってきました。シャンパーニュ委員会の技術課は「ゾナージュ(ゾーン分け)」という壮大なプログラムに着手しました。これは2万5千分の1の縮尺でテロワールとそのブドウ栽培地の特性を把握するものです。
厳密な基準をもとに徐々に地図作りが進んでいます。地層形成、土壌の組成、凍害発生地域、浸食危険地域、地盤移動などを把握するのに役立っています。
ブドウ農家にとってもさまざまな利用法が考えられます。たとえば、この新たなツールで作業の最適化(ブドウ品種や台木の選択、畑に雑草を残せるかどうか、ブドウの木保護のための薬剤散布開始など)が行えます。